犬の泉
昼時。ご飯を食べに南町田の駅前に向かう。休日のグランベリーモール(http://www.grandberrymall.com/)は人でいっぱい。
ご飯屋ももちろん人でいっぱい。マクドナルドに12人待ち。いらいらいら。
ヴィドフランスでパンと水を買い外のベンチへ。
水飲んでパン食って人心地つくと、やけに犬が多いことに気付く。洋服を着たトイプードル、写真を撮られるミニチュアダックス、芝にマルチーズなどなど各種ワンちゃんと飼い主さんがわんわんぞろぞろ広場を徘徊。
でかい黒犬を連れた飼い主さんに質問。
あの、ここ何かあるんですか?ワンちゃん多いんですけど。
「ああ、この辺に有名な犬屋があるんです」
犬屋。
車や電車で飼い主がはるばる来るのだ、との話。飼い主さんは地元の人だった。過熱するペットブームに辟易していること、ここの昼食は押しなべて高いこと(「パンが正解です」と)、地域一帯の近況、それからもちろん犬の良さについて講義。
「体がでかいと脳もでかいですし、言葉全く使わなくても通じる所があって。いいですよ、犬」
犬を挟むと初対面でも和やかに話せることを発見。人は犬の下平等。いいですね、犬。
愛犬家に向ける目が少し優しくなった昼休み。
クロスロード・ブルース
シリーズ日本の無職。
本日も短期バイト。南町田の交差点で看板を持って立つ。
場所を動かず待ちに徹する。平均10組の通行人にチラシを渡す。3組をモデルルームに案内する。「どこですか」と問う人がいる限り、バイトの日給は保証される。
「知らない人や知らない通りを見るのは嫌いじゃない」と書いたが、誰とも話さずにずっと立っていると磨り減る。摩擦がない仕事で「磨り減る」というのも妙な話だが、ストレスレスな環境が奪って行くものは確かにある。
例えば会話能力。さっき「ありがとうございます」と「すみません」を間違えた。定型の文章以外口から出なくなってくる。
それから輪郭。口も手足も動かさず目だけで得たものがどれだけ正しいのか分からなくなる。自分の見たものを確かめたくなって、ポケットの中でこっそりメールを打つ。「こんなの見ました」とか「暇です、お題募集」とか。でも、相手が同じ物を見ているわけないし同じように暇なわけない。
変なメール送ってしまったなとか寂しいんだろうとか働けとか暑いとか。頭の中がぐるぐるしたまま正午。
立ったまま考える
シリーズ日本の無職。
久しぶりに短期バイトに行った。白金で不動産の看板を持って立ってきた。村上龍の『13歳のハローワーク』で「安っぽいスーツを着た学生が時給800円で無為に未来を使い潰す」とか、「気の利いた犬でも務まる仕事」とか、そんなことが書かれていたバイトだ。
実際そう思う。なんのスキルも身につかない。チラシを配るくらいの交流しかできない。けれど、知らない人や知らない通りを見るのは嫌いじゃない。何より、先立つものがないと厳しい。
蒸し暑い四月、自分の体を広告媒体そのものにして延々立つ。疲れる。
もやもやとした頭で考える。なぜこのバイトに需要があるのだろう。雇用者は看板を持って立つ若者に何を期待しているのだろう。道案内、販売促進、雑務。分かりやすい地図と一人の道案内がいれば余裕でなんとかなるだろうか。いや、街の流れを読む人間がいないといけないのか、などなど。
4時間経過。休憩を済ませ別の持ち場へ。
同業他社のモデルルームに何人入ったかをチェックしたり、他社の営業さんのアグレッシブな営業を見たり、こちらはなかなか刺激があった。
明日もバイト。ひきつづき観察や考察に励みます。
七のつく日は恐ろしい
何が恐ろしいって、ハーゲンダッツです。
7のつく日はハーゲンダッツのアイスが安いのです。
色とりどりのフレーバーを7つ選べて500円。
http://www.haagen-dazs.co.jp/contents/product/index.html
渋谷店の選択肢はこの14種類。
チョコレートブラウニーウォールナッツ
キャラメル&クリーム
リッチミルク
バナナ
コーヒー
ラムレーズン
グリーンティー
バニラ
ベルジャンチョコレート
メイプルウォールナッツ
ストロベリー
カスタードプディング
あずき
ドルセデレチェ
僕が注文したのは上から7つ。白・茶・緑と色味は乏しかったけれど(チョイスが悪いのかもしれない。店頭の写真はカラフルで食指をそそられた。ストロベリーのピンク色が決め手だったのでは)、基本的には文句のないおいしさ。
・もう少し暖かくなったら溶け具合による味の変化も楽しめそう
・組み合わせの妙味を楽しむのもまた良さそうだ
・ソルベの類も選べれば色合いと食感に変化がついてよりよいのではないか。でもコスト高なのかな
なんてこと思いつつ、丸い7つの球体にスプーンを突き刺す二月の夜。満足。
東京では渋谷BEAM店と蒲田店で実施しているとのこと。
言うこと聞かない悪い子は
クリスマスイブですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
せっかくの聖夜なのでサンタクロース絡みの話をしましょう。
「いい子にしていないとサンタさんがプレゼントをくれませんよ」
子供の頃、こんなふうに叱られた方は多いでしょう。
「サンタさんがプレゼントをくれない」というのは子供心にかなり深刻なのですが。
かつてサンタクロースが聖ニコラスだった中世、事態はより深刻でした。
聖ニコラス祭の行われる12月6日の前夜、彼はおもちゃやお菓子を持って子供のもとを訪れます。
しかし、やってくるのは彼一人ではありません。トナカイ?いいえ。鞭打ち爺さんです。
- 子供をさらう鞭打ちじいさん。籠に三人、右手に一人。左手に鉤つき鞭。
ニコラスが良い子にご褒美を与える一方、爺さんは罰を与えます。
良い子の靴下にはニコラスからリンゴやお菓子、悪い子には爺さんから小石や玉葱、ロバの糞。
さらに悪い子には鞭をくれたり拉致したり、やりたい放題です。
(追記:爺さんが懲罰により子供を教育する点やニコラスが祝福を与える点などなまはげとの類似点が多く観察されます)
鞭打ち爺さんは社会の近代化と商業化の進展に伴い姿を消してしまうわけですが
たまには顔を出してほしい気もします。
食べたかったトライフルを僕の目の前で買い占めていったカップルの枕元などに。
甘味すら不平等でした。メリークリスマス。
海を見てから
江ノ島で朝、海を見る。
駐車場に原付を止めて一息つく。せっかく来たんだから何かおいしいものを買えないものか。できれば土地のものがよい。
午前5時半。あらゆる店が閉まっている。江ノ島の奥に行く道も空かずコンビニすらない。
目の前の自販でセブンティーンアイスを買う。これが特産品なのだと思いこんで食べる。
> せぷてんばあ 投稿者:携帯用フリスク 投稿日: 9月13日(土)05時44分20秒
>
> なぜか江ノ島。海を見ている。特産品のセブンティーンアイスがうまい。
証拠と記念に書きこみを残す。「○○参上」みたいな落書きと同じノリだ。人の家の壁か掲示板かの違いはあるけれど。
さあこれからどうしようどこ行こう。むざむざ帰るのも勿体無い。目的地を鎌倉に設定して海沿いを走る。
ブレーキの反応速度が鈍りはじめる。目がしぱしぱする。強い向かい風を受けているのに肘に当たる風が生なぬるい。少し眠くなってきたらしい。鎌倉まで行けなくはないけれど事故を起こさないとも限らない。そうだ、江ノ電で移動しよう。中で座って寝て行こう。
七里ガ浜のコンビニに駐車し、おにぎりを食べ食べ駅に。ぼ、ぼ、ぼくは、おにぎりが、好きなんだな。パンも好きなんだな。一人でいると歩きながら手前勝手に食べられるものばかりで済ませる傾向にあるんだな。
はじめての江ノ電。古くて小さな赤いシートからは潮とアンモニアと情緒が香る。電車が動き出す。背中がぽかぽかしてくる。一旦寝ます。
目が覚めると知らない駅。知らないまま降りて線路沿いを歩く。何台かの江ノ電に抜かされ何人かの散歩人とすれ違い三匹の犬にあいさつをし一匹の小型犬をなでる。木の匙でバニラアイスをしゃくる。歩き疲れたのと鉄橋にじゃまされたのとでもう一度江ノ電に乗る。
鎌倉の大仏を参る。ベルギーから来た観光客のシャッターを押す。
こ寿々でわらびもちを食べる。昼前に帰る。