海を見てから

江ノ島で朝、海を見る。
駐車場に原付を止めて一息つく。せっかく来たんだから何かおいしいものを買えないものか。できれば土地のものがよい。

午前5時半。あらゆる店が閉まっている。江ノ島の奥に行く道も空かずコンビニすらない。

目の前の自販でセブンティーンアイスを買う。これが特産品なのだと思いこんで食べる。

> せぷてんばあ 投稿者:携帯用フリスク  投稿日: 9月13日(土)05時44分20秒
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> なぜか江ノ島。海を見ている。特産品のセブンティーンアイスがうまい。
証拠と記念に書きこみを残す。「○○参上」みたいな落書きと同じノリだ。人の家の壁か掲示板かの違いはあるけれど。

さあこれからどうしようどこ行こう。むざむざ帰るのも勿体無い。目的地を鎌倉に設定して海沿いを走る。

ブレーキの反応速度が鈍りはじめる。目がしぱしぱする。強い向かい風を受けているのに肘に当たる風が生なぬるい。少し眠くなってきたらしい。鎌倉まで行けなくはないけれど事故を起こさないとも限らない。そうだ、江ノ電で移動しよう。中で座って寝て行こう。
七里ガ浜のコンビニに駐車し、おにぎりを食べ食べ駅に。ぼ、ぼ、ぼくは、おにぎりが、好きなんだな。パンも好きなんだな。一人でいると歩きながら手前勝手に食べられるものばかりで済ませる傾向にあるんだな。

はじめての江ノ電。古くて小さな赤いシートからは潮とアンモニアと情緒が香る。電車が動き出す。背中がぽかぽかしてくる。一旦寝ます。

目が覚めると知らない駅。知らないまま降りて線路沿いを歩く。何台かの江ノ電に抜かされ何人かの散歩人とすれ違い三匹の犬にあいさつをし一匹の小型犬をなでる。木の匙でバニラアイスをしゃくる。歩き疲れたのと鉄橋にじゃまされたのとでもう一度江ノ電に乗る。

鎌倉の大仏を参る。ベルギーから来た観光客のシャッターを押す。
こ寿々でわらびもちを食べる。昼前に帰る。