立ったまま考える

シリーズ日本の無職。

久しぶりに短期バイトに行った。白金で不動産の看板を持って立ってきた。村上龍の『13歳のハローワーク』で「安っぽいスーツを着た学生が時給800円で無為に未来を使い潰す」とか、「気の利いた犬でも務まる仕事」とか、そんなことが書かれていたバイトだ。
実際そう思う。なんのスキルも身につかない。チラシを配るくらいの交流しかできない。けれど、知らない人や知らない通りを見るのは嫌いじゃない。何より、先立つものがないと厳しい。

蒸し暑い四月、自分の体を広告媒体そのものにして延々立つ。疲れる。
もやもやとした頭で考える。なぜこのバイトに需要があるのだろう。雇用者は看板を持って立つ若者に何を期待しているのだろう。道案内、販売促進、雑務。分かりやすい地図と一人の道案内がいれば余裕でなんとかなるだろうか。いや、街の流れを読む人間がいないといけないのか、などなど。

4時間経過。休憩を済ませ別の持ち場へ。
同業他社のモデルルームに何人入ったかをチェックしたり、他社の営業さんのアグレッシブな営業を見たり、こちらはなかなか刺激があった。

明日もバイト。ひきつづき観察や考察に励みます。