ぐりとぐらと(後)

<あらすじ>
のねずみのぐりとぐらは森の中で生き別れの兄弟ぐるとぐれに出会う。
大きな卵の使い道を一同議論、当初の予定通りに「かすてら」を作ることで話は落ち着いた。

「それじゃ、おなべを もってきて、ここで かすてらをつくろう」
「うん、それは いいかんがえだ!」
ぐらも ぽんと てをたたきました。

「それでは、これからかすてらを作るわけですが」
「はい」
「時間短縮のために卵を割る人とお鍋を持ってくる人に分かれましょう」
「はい」
「それじゃ公平に。じゃーんけーんぽん」

ぐーがみっつ、ぱーがひとつ。
「やった、かった!」
「あーいこーでしょ!」
「え、ええ?」
ぐーがみっつ、ちょきがひとつ。
「はいぐりの負けー」

「ちょ、ちょっとまって、なんで?ぼくさっきかったのに」
「見てない」
ぐるが にやにやしながら いいました。
「ひどいよこんなの。ねえ、ぐらもなんとかいってよ」
「早く行け」
「ぐ、ぐれさんはどうおもいます?」
「俺、ファンタとやきそばパン」
ぐりは うちひしがれつつ あるきだしました。
ダッシュな」
「えー」

「さあ、たまごを わるぞ!」
「まあ焦んなよ、ぐらちゃん」
「まだまだ間があるんだ。一服しようぜ」
ぐれと ぐるは びにーるぶくろを とりだしました。

おれらの なまえは ぐれと ぐる
このよで いちばん すきなことは
きゅういんすること らりること
ぐれ ぐる ぐれ ぐる

ぐらは きょうみほんいで びにーるぶくろを はなとくちに あてました。
ゆうきようざいの においがして あたまが ぼおっとしてきました。
「やたらと  けしきが きれいじゃない?」
「ああ」
「おう」
そのころ ぐりは こうばいで ぱんを かっていました。

「さーて、たまごー、わりまーす」
「わーい」
こつんこつんこつん、ぱりん。
「わーい」
「わーい」
「わー…うわぁ!」
らりらりの さんびきは しょうげきてきなものを めにします。
そのころ ぐりは はんなきで にもつをはこんでいました。

「みんなただいまー」
ぐりは ようやっと もりに もどってきました。 りちぎに ふぁんたも もっています。
そこに しょうすいしきった ぐれぐらぐるが まっていました。
「どうしたのみんなそろって」
「いや、玉子の中身がちょっとな」
「酔いが一気に醒めたぜ」
「あんなんがまだ生きてたとはな、くそっ」

「なにが?」
「見るな」
「やめろ」
「トラウマになるぞ」

みるなといわれると みたくなるのがにんじょうです。
ぐりは ちらりと たまごのなかをのぞきました。

「うげぇ」
「見るなつったろ」
「いや、みるなっていわれるとつい…これ、なんなの?」
「ぐろ」