本牧ジャズフェスティバル

朝9時。晴れた空を見て本牧ジャズフェスに行こうと決意する。

・5バンドのうち3バンドを知らない
・チケット代は安いが金がない
・雨に祟られたら悲し過ぎる
・同行する予定の友人が参加できなくなった
こうした理由からギリギリまで決断を伸ばしのばしにしてきたけれど、せっかくの機会を逃すのは損だし、ひどいイベントでもそれはそれでネタになるし。

  横浜へ 投稿者:携帯用フリスク  投稿日: 8月31日(日)12時10分44秒
行ってきます。本牧ジャズフェスに。金欠の中でも屋台を見たら狂喜して金を使いすぎる恐れがあり、自制のため焼き鳥とコロッケを駅前食料品店で仕入れました。50ml入りのウォッカの小瓶も買いました。コージーコーナーでシャンティ買い、食べました。現地付近で水(飲んだり被ったりするため)と炭酸水を手に入れます。しめて1000円弱。
> このみみっちい倹約術、吉と出るか凶と出るか。大人数ならバーベキューもやるが、なにせ一人でいくもので。食い物なんざ持参してひとり電車に乗る時点で相当大凶なのはわかっています。半日後また書き込みます。

自分の掲示板に書きこみ。

どうしようもなく金がないのでみみっちく節約をすることに決定。揚げ物の匂いを漂わせて電車に乗ると、もう夕方のような気がしてくる。

根岸駅の東急でクッキーとおにぎりと缶ビールとポテコ、それに忘れてはならない水(2リットル)を追加。会場行きのバスを待つ人たちは大概がグループで和気藹々。きゃらきゃらと笑う声が聞こえると気が塞ぎ、今買ったばかりのビールを空けてしまおうかとすら思う。フリスクを大量摂取して落ち着き、満員のバスは20分後に会場の本牧市民公園に。

「特設会場」は運動場だった。もう少し言うとフェンスがあっても客席がない、両翼73メートルのプレーンな野球場だった。三塁コーチャーズボックスのあたりに矢倉(というのだろうか、高めに設営されたステージ)が設けられ、セフティーゾーンと呼ばれる立ち見スペースは非常に狭かった。その代わりレジャーシートを敷くスペースは充実しており、そこら中で肉を焼き酒を飲み、騒ぐ声が聞こえていた。ロックフェスの類とは随分異なる。みんなピクニックに来ているみたいだ。ステージから遠く音も聞こえにくい場所で一人用のレジャーシートを敷き、ぺたんと座って音出しを見る。することがないので早くもビールと焼き鳥に手を出す。

実行委員長の荻野アンナが挨拶。スピーチ中の駄洒落は聞きしに勝る破壊力、テンションが氷点下まで下がる。誰も笑わないことを十二分に承知して尚も口に出すところだけはすごい。これに毎週付き合わされる学生さんに同情を禁じえない。

ルイス・パジェ&アフロ・キューバアミーゴス
ウォッカを水割りでちびちび飲みながら観賞。
老ドラマーの腕の良さとルイスの飄々とした風体、流暢な日本語などを楽しむ。オープニングを盛り上げる手堅いステージング。

渋さ知らズ
天才バカボンのテーマを吹き吹き会場をぐるりと回ってメンバーがステージに上がる。期待わくわく…ん?20人しかいないぞ。十分多いじゃないかという声もあるが、フルメンバーは40人なのだ。音圧半減なのだ。賛成の反対なのだ。ついでに言うと暗黒舞踏の男女もいないのだ。「本多工務店のテーマ」で詩を朗読する女の人もいないのだ。メンバーに不満なのだ。

それでも音が鳴れば大盛り上がり。暴れるホーン、奔放なソロ、客を煽るフンドシ、媚態を振りまくダンサー。三列目をキープして好き勝手に踊る。「諸行でムーチョ」「反町鬼郎」などの歌ものがなかったのは残念だが、その分インストで揺らす聴かせる踊らせる。
いつもの通り変なスイッチが入り、さやかさん(ダンサー、青い方)の動きをトレースして腕を艶かしく交差させたり腰を振ったり、暗黒舞踏よろしく体を震わせたり体を伸ばしたり縮めたりあれこれ変なポーズ取ったり、「本多工務店のテーマ」では客の方に向き直ってがつがつと煽りさえした。ここがジャズフェスであることを完全に忘れた暴挙である。縦横無尽にやりたい放題していたら、横の男より酒を貰う。一息で飲み干し、また踊る。
80分後に終了。さあ、これからどうしようと水を飲み飲み歩いていると、先ほどの男から声をかけられる。
「あー、すごい踊ってた人だ」
いっつもこの印象なのか自分。

「まあ飲もう」
飲むぜ飲むぜ。彼を含む5人組の男女と意気投合し、その日はずっと行動を共にすることに。