TheWrong and Winding Road
話を聞かない男です。地図も読めない男です。
話は神妙な顔で真剣に聞いているのですが、八割以上がすり抜けて行きます。会話の最初の何音は必ず聞き逃し、聞き返せないうちに話が進んでしまいます。脳内伝言ゲームもはじまります。
「○○んだよね」
「え?」
「だから、○○んだよね」
「もう1回」
「△△んだよね」
「(…??)そうかも」
「どういう意味だ」
「何を怒ってるの?」
「お前が悪いんだ」
「…??」
地図を読めません。地図のまわりで自分がぐるぐる回り、挙句方向を間違えます。ピザ屋をクビになるのも無理はありません。
出掛ける先で間違いなく道に迷います。
確信の度合いに関わらず選んだ道は誤っており、気付くと知らない所に出ています。
つい先日も。
太い道路を左折すれば帰れるはずでした。赤信号を避けて一本手前の脇道を左折しました。
20分後、進行方向の逆に位置する知らない駅に出ていました。
頭を掻きため息をつきます。
どうして僕はこんなところに。